2016.06.07
千房けん輔
ARTIST
- PROFILE
- 千房けん輔/Kensuke Sembo
- 1996年より赤岩やえとアートユニット「エキソニモ」をスタート。インターネット発の実験的な作品群を多数発表し、ネット上や国内外の展覧会・フェスで活動。テクノロジーによって激変する「現実」に根ざした、独自/革新/アクロバティックな表現において定評がある。またネット系広告キャンペーンの企画やディレクション、イベントのプロデュースや展覧会の企画、執筆業など、メディアを取り巻く様々な領域で活動している。2015年よりNYに在住。アルス・エレクトロニカ/カンヌ広告賞/文化庁メディア芸術祭などで大賞を受賞。http://exonemo.com
アートとサイエンスの関係でよく言われるのが「元々アートは数々の科学技術によって発展してきたのだから、ふたつは元来親和性の高いものだ」ということだ。でもそう言ってしまうと、サイエンスがアート表現を少しバージョンアップするだけの下位概念になってしまい、面白くない。
サイエンスの面白いところは、一度ロジックが成立してしまえば、後は自動的に、それが人類に良かろうが悪かろうが進んでいってしまうところだ。つまり、人間の存在はサイエンスという宗教にとっては、とるに足らないものなのだ。アートというものはあくまで人間を信じる宗教だ。これらを合わせることの矛盾、摩擦、衝突から、新しい価値観が生まれてくる可能性があるのではないか。