2016.05.28
久保田晃弘
ARTIST, RESEARCHER
- PROFILE
- 久保田晃弘/Akihiro Kubota
- アーティスト、研究者、工学博士。多摩美術大学情報デザイン学科メディア芸術コース教授。衛星芸術(ARTSAT.JP)、バイオアート、ライブコーディングによるサウンドパフォーマンスなど、さまざまな領域を横断・結合するハイブリッドな創作の世界を開拓中。著書に『消えゆくコンピュータ』『ポスト・テクノ(ロジー)ミュージック』(共著)、監訳に『FORM+CODE』『ビジュアル・コンプレキシティ』『スペキュラティヴ・デザイン』『バイオアート』などがある。
アートはサイエンスでないからこそ、サイエンスはアートでないからこそ、互いに価値がある。サイエンスからは見えてこないこと、逆にアートからは見えてこないこと、それらを相互に指摘し合うことが、両者の妥協なき緊張関係を生み、その軋轢や齟齬の中から新しい何ものかが生まれる。アートサイエンスの目標は、アートとサイエンスの根本的な相違を確認し、そこ埋めることなく深く掘り下げていくことで、最終的にはアートでもサイエンスでもないものに到達することにある。妥協や融合の誘惑に負けず、楽しさや面白さといった甘い言葉に惑わされず、正しさや美しさを超える何ものかや、人間や自然を超える思索を目指していって欲しい。