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2019.02.06
アマゾンで未知なる自然を体感せよ。「LABVERDE: Art Immersion Program in the Amazon」公募開始。
TEXT BY SAKI HIBINO
アマゾンでアート&サイエンスを実践する。ブラジルの熱帯雨林で展開されるアートプロジェクト「LABVERDE: Art Immersion Program in the Amazon」において、2019年の公募がスタートした。募集期間は2019年2月18日まで。
アマゾンなどの熱帯雨林と環境に関する知識の普及に関して、様々なプロジェクトをプロデュースしているManifesta Art and Cultureと国立アマゾン研究所研究所(INPA)が共同開発する「LABVERDE: Art Immersion Program in the Amazon」は、アート、サイエンス、自然を含む幅広い経験、知識、文化的観点からアートの創造性を拡張するために創設されたプログラム。
このプログラムの主な目的は、アマゾンの熱帯雨林の中に根付く理論と生活による二つの経験を通して、地球上で起こっている環境問題について議論する場を設け、芸術的創造を促進させることだ。
2019年度「LABVERDE: Art Immersion Program in the Amazon」では、アート、哲学、生物学、生態学、自然科学の専門家の集まった学際的チームによるセミナー、ワークショップ、プレゼンテーションをはじめ、1万ヘクタールにおよぶ熱帯雨林 Adolpho Ducke森林保護区のガイド付きツアー、沿岸コミュニティと水生生態系を探るボートツアーなど、超濃密かつ集中的なスケジュールで知識と実践を共有する10日間のプログラムを展開。自然を共通の基盤とし、芸術、哲学、生物学、生態学、そして自然科学を含む詩的で審美的な経験や議論を促す。未知の自然を理解することは参加者の創造性を高め、芸術的可能性を広げる。
アマゾンは世界最大級の生物多様性を保持しており、したがって地球上での生命の経験に関する最大の記憶のコレクションを保管する貴重な場所の一つである。生命の宇宙の豊かさ、複雑さ、そして独自性は、創造と想像力の活性化によってのみ明らかにされることができる。この自然環境で起こる複雑で見えない現象をどのようにして検証し、次世代の生態系を育んでいくのか。
アマゾンの熱帯雨林を探索し、生物多様性の豊かさを発見すること、そして地球の生態学的バランスに対する重要性を理解することは、風景の解釈、自然の表現、そして社会生態学的行動に関わる芸術の役割などに潜む問題に対するより分析的かつ批判的視点を刺激するだろう。
対象となる分野はビジュアルアーティスト、ミュージシャン、作家、ダンサー、その他の文化的活動に従事する人。対象人数は30人。プログラムの費用は、宿泊、食事、送迎込みの2,900ドル。プログラム機関のパートナーに応じて、様々な助成金も用意している。申請書類の提出締切は2019年2月18日。募集要項はLABVERDEのオフィシャルサイトで確認しよう。
CREDIT
- TEXT BY SAKI HIBINO
- ベルリン在住のエクスペリエンスデザイナー、プロジェクトマネージャー、ライター。Hasso-Plattner-Institut Design Thinking修了。デザイン・IT業界を経て、LINEにてエクペリエンスデザイナーとして勤務後、2017年に渡独。現在は、企画・ディレクション、プロジェクトマネージメント・執筆・コーディネーターなどとして、国境・領域を超え、様々なプロジェクトに携わる。愛する分野は、アート・音楽・身体表現などのカルチャー領域、デザイン、イノベーション領域。テクノロジーを掛け合わせた文化や都市形成に関心あり。プロの手相観としての顔も持つ。